公開: 2019年10月16日
更新: 2019年10月18日
第1次世界大戦を経験したヨーロッパ社会では、戦争が起こった場合の戦闘行為として、許されない行為を規定していました。例えば、捕虜の虐待や、非武装の市民に対する軍事行動です。一般市民への軍による組織的な攻撃は、国際法違反として禁じられていました。
第2次世界大戦がヨーロッパで始まると、非武装の市民に対する軍隊の組織的な攻撃は少しずつ増加しました。特に、ナチス・ドイツは、ロンドン市街への爆撃を繰り返し、市街地への無差別爆撃を戦略的に実施しました。また、日本軍も中国大陸で、無差別爆撃を実施しました。
市街地への無差別戦略爆撃を重視したアーノルド司令官の考えに対して、日本本土爆撃を指揮していたハンセル司令官は、一般の市民をも標的とする都市市街地への無差別爆撃は、人道上許されない行為であるとの考えから、都市の市街地への無差別焼夷弾爆撃に反対しました。後に、米国大統領となったトルーマンの補佐官であったスティムソンも、都市への無差別爆撃には倫理的な問題があると考えていました。